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無意識過剰 第12話

「あ、その話なら知ってるわ。3年生の先輩が理科室の鏡の所でタップダンスしてたら、偶然通りかかった先生が偶然にもコケて、しかも偶然にも次の授業で使うはずの酢酸オルセイン液をぶちまけて、偶然にも前を歩いていた実習生が被害をこうむって、あだ名が某無免許医師になった。って話でしょ?」

「ちょっと待った、今の話、タップダンス関係ないっしょ!」

……しまった。ナレーターに徹していたのについいつものクセでツッコミが。どうにも、ツッコミやら、個人的感想を入れてしまう。どうやら自分はナレーターには向いていないらしい。
そんな自分は清高2年布部、丘山実(おかやまみのる)。ナレーターはふつう、この自己紹介は誰に向かって話しているかなんてメタ思考的な事は考えない。とりあえずのところは、話を元に戻そう。

「俺もその話は聞いてないな。変な実習生がいる、ってのは聞いてたけどよ。ってか、よくそんな話知ってるな。」

この話が初耳なのは真も同じらしかった。

「俺が聞いた話は……」

誠の話は常々効果音が多くて分かりにくいので要約すると、理科室の鏡の前で1年生がバク転をしていたら、偶然チャイムが鳴り、偶然近くの廊下を歩いていた生徒が、偶然持っていたカレーパン(本場インド風)を偶然飛んでいたトンビに取られたらしい。他にも色々と理科室前の鏡に向かって何かをすると、ザンネンなことが起きるらしい。
どうにも、ザンネンな出来事をムリヤリ鏡のせいにしているように思えて仕方がない。

「よし、布部で調査しようぜ」

出た。真の常套句「布部で~しようぜ」。「~」の部分にはたいてい布部とは全く関係ない何かが当てはまる。
毎回それなりに楽しいし、まぁ今回もつきあうことにしよう。

酢酸オルセイン:Wikipedia
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