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無意識過剰 第14話

――その頃 鏡の中

これは困ったことになったぞ……。真さんの部屋の中はたしかに鏡の中とおなじだった。が、扉の外はそうでもないらしい。本来は屋敷の廊下であったはずの場所は、パッチワークのように、様々な空間がつぎはぎになった妙な場所となっていた。
本当に共通点が全くないように見える和洋折衷(+中華、琉球、東南アジアetc...)なつぎはぎのパーツだが、どのパーツにも大なり小なり鏡が置いてあった。

そんな空間をフラフラと歩いているうちに、自分がどこにいるのかよく分からなくなった。要するに迷子になってしまったわけだ。見た事がある物がないかと、注意深く見回しながら来た道を探す。
どうでもいい事だが、2つの空間の間はそれらの空間が融合して、とてもファッショナブルな事態になっている。物が雑多に置いてある物置らしき場所と和風建築の境は、クリスマスツリーと盆栽の合わさったような盆栽ツリーが誕生していた。同じ針葉樹だからといっても、そのまとめ方はあまりにも大雑把ではなかろうか。

そんな事を考えながらそのツリーの横を通り抜けようとすると、突然腕にチクリと痛みが走った。見てみると、松の葉が地面に落ちていた。十分な距離はあったはずだ、刺さるなんて事は……とおもった矢先、ツリーが針を飛ばしてきた。
慌てて距離を取ろうと2、3歩後ずさると、なんとツリーに足が生え、走ってきた。なかなかの美脚だ。どうやら自由の女神の足らしい。物置の持ち主は、なんて迷惑な物を置いていったんだ。(もちろん、和風庭園の真ん中に自由の女神像があった可能性も0ではないが)
あちこちに針を刺されてはたまらない。僕はその場から駆けだした。足が軽い。もしかしたら、さっき刺された時、良いツボを押されたのかもしれない。

流れていく景色の中、鏡の外に、制服の三人組が見えた気がした。

9/30 K

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白石アオイ

Author:白石アオイ

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